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2012年12月25日

◆六ツ門大学スローフード講座Vol.9 豆腐のお話

湯豆腐のおいしい季節に、とっておきの豆腐のお話。
今月のスローフード講座、講師は久留米市山本町で新規開店の「おとうふ屋 凛」店主の堺 定浩さんです。



まずは豆腐の歴史からです。豆腐の発生は古代中国、8〜9世紀の唐代に遡ります。黄河流域では紀元前から煎り大豆をすりつぶし粥の様に煮て食べていて、それに塩を入れ固める様になったのが豆腐の始まりと言われています。
日本へは遣唐使が持ち帰り、奈良の神職の日記にとうふの記載があります。
その頃は“唐符”と書かれていて、豆は“魔滅”で悪い物を滅ぼすと言う意味合いがありました。
ちなみに豆腐の腐は中国ではプルプルする感じの物という意味がありますが、日本では腐るという意味もあるので豆富、豆府と標記することも。



次に材料の大豆について、注目の成分イソフラボンは女性ホルモンに似た作用があり、骨を強くしたり更年期の不調の緩和や肌の老化を改善する効果もあるといわれています。このほかコレステロール値の上昇を防ぐ大豆たんぱく、血液をサラサラにするサポニン、腸内善玉菌を増やすオリゴ糖や食物繊維など、大豆は様々な栄養成分が含まれていて食べるサプリメントといえるほどです。
凛で使っているのはフクユタカという種類の大豆です。

木綿とうふの80%、絹とうふの90%は水分ですので水も大事です。水は軟水が適していて、凛では耳納連山の水を使うことにこだわっています。
とうふを固める凝固剤について、酸凝固材と塩凝固剤があり、凛ではにがり(塩化マグネシウム)を使っています。にがりの入れ加減が豆腐職人の腕の見せ所だと堺さん。

豆腐の作り方は大豆を挽いて煮る「煮取り法」と大豆を挽いて搾り、出て来た豆乳で作る「生搾り法」の2つが有り、この辺りは煮取り法が多いようです。豆をすり真空釜で蒸気で炊上げ、しぼると豆乳とおからに分かれますが、今は搾り器が改良されて濃い豆乳とサラサラのおからができます。



豆腐の種類には木綿、絹、ザル、充填豆腐などがあります。木綿は豆乳ににがりを加え固まりかけたところで木綿をしいた型に入れて重しをかけ水分を適宜ぬいたもの、絹は豆乳をそのまま型に流してにがりを入れ固めたものです。
ざるは、にがりを入れた物をザルに揚げて水を切るので、固めに出来ます。充填豆腐は豆乳を一旦冷ましてにがりを入れ、袋に詰めてボイルしたもので日持ちがして大量生産が出来るのが特徴。以前は丸美屋のトントン豆腐と言う商品名の物があり今は男前豆腐という商品がありますね。
安く売られている豆腐の中には海外から豆乳状にした原材料を輸入して作っているものもあるようです。



最後に皆で電子レンジを使って簡単な豆腐を作りました。
お椀に入れた200gの豆乳ににがりを入れて軽く混ぜ、電子レンジで加熱すると、2分くらいで豆腐の出来上がり。
出来たて豆腐の試食は貴重な体験です。ほのかに甘い大豆の味がして、飛びきりおいしい豆腐でした。



とうふ屋凛の豆腐は久留米市山本町耳納1222-1の店舗と産直や蔵肆で販売しています。
店名の「凛」は、どんな時も凛としていたいとの堺さんの思いから名付けました。
皆さんぜひ、耳納の里の手作り豆腐を味わってみて下さい。




おとうふ屋 凛(TEL:0942−47−2220)
  


Posted by りじ at 00:35Comments(0)SF講座

2012年12月17日

◆筑後の生産者が語る「つば飛ばしぐっちょ」Vol.2

12月10日(月)大木町にある道の駅おおきで生産者が語るトークシリーズ「つば飛ばしぐっちょ」を開催した。

第2回目となる今回は女性の生産者に焦点をあてて、農業や食に対する熱い思いを語っていただいた。
出演者は中島農産の中島陽子さん。やました農園の山下真奈美さん。池上農園の池上祥子さんの3名。
コーディネーターはトータルオフィス・タナカ代表の田中美智子さんです。



まずは自己紹介を兼ねてどんな作物をつくっているか、農業との関わりなどを聞いた。
大木町の中島農産、中島陽子さんは養豚2200頭、米5町、麦3町、アスパラ18アール、その他の野菜を栽培し道の駅に出荷している。
夫が中心に農業をしていて自分は道の駅おおきのレストランを女性3人で出資し会社を立ち上げ、メインにやっている。結婚前は東京青山の会社でOL、タイピストとして働き、新入社員教育もしていた。福岡に転勤し、縁あって大木町へ嫁いで来た。実家は農家なので農業に違和感は無かったが、養豚農家に最初は正直戸惑った。今は豚の助産婦役も出来る様になった。

久留米市北野町のやました農園、山下真奈美さんはいちご農家であまおうを2反程作付けしている。
夫と共に東京に住んでいたが、10年前ほど前のある朝突然、夫が農業をするぞと言い出した。いきなりでほぉ?!と言う感じだったが、まっ、それもいいかっ!と思った。当初は農業体験に参加しては模索し、そんな中、阿蘇での研修でイチゴに出会った。祖父母の土地があったのを思い出し、ハウスを立てて今に至る。
JAを出て3年目、減農薬から今年は無農薬にしたので、収穫がたくさんは望めない状況である。

大木町の池上農園、池上祥子さんも同じくあまおうを2反半程作っている。
当時、農家に嫁ぐことには反対もされたが、その意味も分からず自分が就農するんだと思って結婚した。野菜も穫れたてを食べられるし、大家族は新鮮だった。イチゴおいしいねと言う言葉と笑顔に勇気づけられている。
今はイチゴの最盛期で忙しく、スタッフを5人程雇い、84歳の義母と二人で切り盛りしている。



次に、農業について感じていること、やっている試みについて聞いてみた。
中島さんは大学生や福岡の普及センターからの受け入れをしている。小学生や幼稚園児のジャガイモ植え付けから収穫までの農業体験を続けたい。アイガモ農法を始めたとき、他との違いをどうやって消費者の方に分ってもらうかに苦慮し、手書きで「アイガモ便り」を作り手渡すことを考えだした。年に2回くらい消費者との交流会を開き、実際に来て見てもらうことで自分たちの農業を伝えたいと思っている。

山下さんは新規就農者として農業は厳しく大変だけど後悔はしていないとはっきり言われる。今年の久留米食育フェスタでは冷凍イチゴが人気だった。ハローディへ飛び込み営業して採用されたこともあり臆せず行動も大事と思う。
池上さんは作った物を通じて農業が人に伝わって行くならこんなに楽しいことは無いと思っている。今は新たにバニラビーンズの栽培にもチャレンジしている。
皆さん、6次産業化という観点から、農地だけではない新しい展開をされています。

続いて、食育の視点で何か伝えたいことはありますかの問いを受けて、
中島さん。以前、味噌を軽トラックで販売していた時に冬にキュウリ下さいと言われたことがあったが、旬の野菜を食べたがいい。今、食の変化が起きていると言われているがそこを何とかしたい、本物を知って、味わってほしい。その気持ちで交流会を開催している。3日間かけて味噌作り体験をしている。消費者はレシピ通りの材料が無いと出来ないと考える人が多い。そうではなく今ある食材、穫れた物で作ることを伝えている。子供達参加の収穫体験多いが、ただ穫るだけではなく種から育てて、収穫まで行う体験を広めたい。今の子供達は家が農家といえども農作業をしたことが無い状況である。例えば、卒園する時に苗を渡し家で家族とともに育て成長を見て収穫し食べてもらうようなきっかけを作りたいという強い思いを持っている。
池上さん。自分自身も消費者の目を持ってもっと良い物を作りたいと思っている。生産者として顔写真入りのイチゴを出荷しているが、そうすることによって責任と熱意が持てる。冷凍イチゴを大木町アクアスで販売。ゆめタウン久留米やイオン大牟田店などにある果物カフェなどのイチゴ味ソフトクリームやいちごソースの原料としてあまおうを出しているが、いつもお店の方達にはげまされて頑張って来れた。

最後の質問として農業の素晴らしさなど次の世代に伝えたいこと、メッセージはありますかに対しては、
池上さん。農業はつらいこともあるがすばらしいと思う。なにより自分が元気になれる。
山下さん。大変なことはたくさん有るが後悔はしていないので良いかなと思う。農業をとおして世の中の見方が変わった。
中島さん。実家の祖母が一生懸命働いていれば貧乏神は追いつかないとよく言っていた。その当時は意味が良くわからなかったが、農業は働けば働く程いろいろなことが出来る魅力ある職業と言える。又、いろんな方と出会える。全国畜産女性ネットワークを立ち上げて日本全国北から南までたくさんの方達とはなしが出来る。消費者の方とも農業や食について話せる。農業はどんな時代でも世の中の技術が移り変わっても、変わらずに話が出来て視野も広がりおまけに定年も無い、素晴らしい職業だと思う。このような農業に対する思いを多くの人に伝えていきたい。

型に縛られない柔軟な考え方、行動力!三人三様の農業に対する取り組みや熱い思いを聴くことが出来た。

終わりに、スローフードに関わる人は生産者、消費者、飲食店の人達と様々だが、皆、筑後地域がもっと発展してほしいと願っている。
生産者の方の素晴らしさを生産品を買い支えることでも伝えていきたい、また外部の人だから気づく筑後の良さもたくさんある。
私達に出来る役割として皆で手を取り筑後の農業、食について伝えていくことが出来たらとのコーディネーター田中美智子さんの言葉を共有して、つば飛ばしぐっちょ2回目を終了した。
  


Posted by りじ at 22:44Comments(0)SF協会活動

2012年12月15日

◆鶏の解体と鶏調理体験2 農業体験ツアーその7

今年最後の農業体験ツアーは前回に引き続き鶏の解体と調理体験だ。
今回の参加者の方達は北九州の折尾に集合してはるばる筑後へやって来た50名の皆さん。

南筑ファームの古賀宣彦さんにまずは久留米市草野の鶏舎へ案内してもらった。
耳納連山が見渡せる敷地に鶏舎が並んでいる。



この日は強風で寒く、保温のため鶏舎が覆われていて残念ながら鶏は見えなかった。
また、鳥インフルエンザ防疫の為に少し離れた所から見学した。
国内でも5年程前から鳥インフルエンザの発生が問題になっていて、鴨などの野鳥が感染の原因ではとも言われているが、はっきりした感染経路は分かっていない。
発生すれば、半径10〜20Kmの範囲で出荷出来なくなるので、防疫に努め、外部の人の立ち入りも避けている。



消毒としては石灰を撒き、強アルカリ性の殺菌効果で細菌の侵入から鶏を守っている。2cm編み目の防鳥ネットを張り、野鳥の侵入を防ぐ。作業時は消毒液で靴の汚れを落としてから鶏舎へ入るなど手だてを取っている。


*生まれて2日めのひよこ

会場を道の駅久留米に移して、参加した25名の子供達にも分かりやすく映像を使った「ニワトリと育む命の尊さ、食の絆」のテーマで説明。人はいろんな生き物とともに暮らし、牛や豚、鶏などの家畜を食糧としている。その中でも鶏は出荷までの飼育日数が55日で、生産性が高いと言える。

飼い方としては、食肉の場合は平飼いで飼い、種鶏場で生まれた卵を大型の孵化器に入れてふ化させ、生まれたヒナを農家が買って肥育させ食肉にする。
鶏肉、卵は、菓子、マヨネーズはもちろん、ペットフード(ささみ使用)医薬品としてはワクチン、化粧品など様々な分野で利用されている。
卵の殻は学校で使われるチョークやライン引きの石灰の原料にもなっている。



説明の後は、はかた一番鶏を使った解体です。
3kgほどの鶏を、まず骨にそって包丁を入れ、もも肉、首皮、肩肉、胸から大手羽を外し、胸肉は整形してハート形の胸身となる。
その次に大手羽の部位を手羽先、手羽元に切り分ける。ささみは一羽から2本とれる。残りは鶏ガラとなるが、首の周りのせせり、胸の軟骨(やげん軟骨)は串焼きや軟骨入りつくねなどに重宝されている。

ちなみに長距離を移動する渡り鳥は筋肉中に疲労回復物質を持っていて、胸肉とささみに多く含まれている。
鶏肉でも同じような効果があると、米国では胸肉はフライドチキンによく使われているそうだ。

解体の後は各部位を使った鶏料理の実習を行った。
えーるピアの調理室で、はかた一番鶏のお店のスタッフの皆さんに教えてもらいながら、地元で穫れた旬の野菜もふんだんに使ったメニューで、地鶏ハンバーグ、蒸し鶏と白菜のサラダ、鶏飯などを調理。


*鶏ミンチのハンバーグ作りに取り組む男子チーム


*鶏飯作りの女子ベテラン組


*子供たちはチームワーク抜群で大活躍!

出来た鶏料理を並べて、命をいただくことへの感謝の気持ちで「いただきます」と食後の「ごちそうさま」を言いました。


*ハンバーグと付け合わせの地元野菜


*胸肉、白菜、水菜のごまドレッシングサラダ。

食の生産現場に立ち会い、食材が私達の食卓に上るまでどのように育てられ流通して来たかを知り、その過程を支える生産者の方から話を聞き様々な思いを知る。
このことをとおして、私達の生命と身体を形作る食とそれを生み出す農業への理解が一層深まっていくと思います。  


Posted by りじ at 15:16Comments(0)農業体験講座

2012年11月20日

◆鶏の解体と鶏調理体験 農業体験ツアーその6

農業農村体験ツアー第6回目は11月18日(日)に鶏の解体と各部位を使った調理体験をおこないました。
耳納連山のふもと久留米市草野の鶏舎見学からスタート。



南筑ファームの古賀宣彦さんから鳥インフルエンザ対策として防鳥ネットや消毒液などで防除を徹底していることや一旦かかるとその鶏舎から半径20Km圏内に影響が出るので畜産農家は対策を徹底していることなど説明を聞きました。


*子供達は生まれたばかりのヒヨコに夢中。

会場をえーるピア久留米に移して「ニワトリと育む命の尊さ、食の絆」のテーマで命の現場を映像で追います。



親鳥が41度の温度で抱卵すると温度37度、湿度70%で卵の内部で細胞分裂が始まります。
1〜2日で血管が出て3日目大きさ2mmくらい、更に心臓、脊椎などが形成されてくる。1週間で目や背骨がはっきりして来て13日目で羽毛が生え足の形が出来、18日目ヒヨコの原型が出来る。内蔵は身体の外で形成され後で体内へ入って行くと言う説明に生命の不思議、神秘さを見て、驚きました。そうしていよいよ21日目にヒヨコが生まれます。

鶏は生産性が高く私達の暮らし、食生活に欠かせない存在と言えます。

食肉の他にもワクチンなどの医薬品、化粧品、飼料など多様に使われています。

大型の孵化器でふ化され、養鶏農家の注文に応じています。ヒヨコは30度くらいに暖めて飼い、平飼いで鶏の健康管理には特に気を配り、鶏の呼気で二酸化炭素が増えすぎないよう換気し、床に敷いたかんなくずは湿気無いよう乾燥状態に保ちます。
こうして体重が3kgの良質のタンパク質やビタミンを含んでいる鶏になり、出荷時には農水省の検査を受けて食肉になっています。
その後の解体は「はかた一番鶏」を使いました。



丸鶏が手際よくさばかれておなじみの肉の部位になっていく様子は皆初めてで、真剣に古賀さんの手元を見つめました。

続いて各班に分かれて鶏の各部位を使った調理体験です。


*真剣に取り組みます。


*熱心に聞き取ります。

子供達もサラダに使う胸肉を小さく裂いたり、野菜を混ぜたりと大活躍。


*野菜を切る。


*ゆでた鶏胸肉を裂く。


*鶏ガラスープ。

メニューは鶏飯、鶏ガラスープ、蒸し鶏と季節の白菜サラダ、鶏の唐揚げと手羽元のスペアリブ風など鶏を余さずに使ったものです。



他の生物の命をいただいて生きて行く私達。その現場を見て、改めて感謝の気持ちを込めて、皆で「いただきます」と声にしました。
  


Posted by りじ at 23:52Comments(0)農業体験講座

2012年11月12日

◆テッラ・マードレ上映会とトークショー

10月21日(日)テッラ・マードレ上映会とトークショーを行いました。 
会場の久留米市民会館小ホールには第1部・2部併せて100名を超える方達が参加しました。



トークショーは西日本新聞編集委員の佐藤弘氏を聞き役として協会理事野村氏、吉永氏、筒井氏がスローフード協会の生い立ち、活動、課題や今後の動きについて語りました。
地域の食材、食文化、食の発掘をしようと考えたり、医療の現場から食べ物の大事さを感じて活動を始めたこと。
具体的な活動は生産者と消費者がお互いに理解出来るような交流を進める。スローフードフェスタ、食育フェスタの実施など様々に8年間やって来て生産者と消費者の繋がり、結びつきができて来た。その意味でも今、農業体験、現地体験事業に力を入れていること。
生産者の所へ行く事から始め、その結果生産者の事が良くわかって来た。六ツ門大学でスローフード講座を始めた。市民の方に体験を通してスローフード活動を知ってほしい。地産地消推進店冊子を作っているが、地元の多くの飲食店が地元の食材を使っていると言う良い環境にある。
生産者と消費者の距離を縮めお互い知る事が大事などの意見が出ました。
久留米が農業都市である事を知っている人は少なく、がめ煮と言う言葉・料理を知らない人が増えた。地域の伝統料理が衰退しない様もっと知ってもらえる様に一歩ずつSF活動を広めて行くしかない。
今、全てに置いて時間軸が短い時代になっている。何年のレベルで考えるかで全く違ってくる。映画の中でバンダナ・シヴァさんが食べ物だけでなく医療、環境、様々なことが重要とあったがスローフードも食物のみでなく農業や環境ほかのことも含まれているのでは。スローフードは食べ物だけでなく生き方まで問うているのではないか。
技術は進み昔の暮らしには戻れないが、食をきちんとしなければならない時が来るのでは。子供達に伝えねばと思う。



来年の12月に—テッラ・マードレ母なる大地、全国大会を行う。
テッラ・マードレの言葉が分かりにくいので、ちくごらしいタイトルに変えることも検討。ちくごの風景の中でちくごの人々にちくごの食のメッセージを出してもらう。ちくごの食を味わってもらう、食文化を体験してもらう、マルシェなど様々なイベントを行う予定。ちくごを味わってもらう仕掛けを考えたい。
例えば筑後の夕陽を見る事もすばらしいので筑後川に陽が沈んでいく太郎原の夕陽を見てもらいたい。
自分たちには当たり前すぎて良さが分からない事多い。外からの違う目で見てもらい、その事で自分たちも改めて筑後の良さに気づくのでは。テッラ・マードレをきっかけに皆がそう思えるようになれば良いと思う。



トークの次は「テッラ・マードレ」の上映です。
2009年イタリアのエルマンノオルミ監督が撮ったドキュメンタリー映画で、2年に一度開催されているテッラマードレ世界大会の様子をメインにしたものです。
2006年イタリアトリノ市に150カ国より生産者や多くの人が集決。SF協会のペトローニ会長が地域経済を動かすため、生産者と消費者を結ぶ為にと開催宣言する。
南米の先住民代表、アフリカから参加した女性のスピーチ、地球温暖化の影響に備えて種子の保有を行うノルウェー北部のスピッツベルゲン島の永久凍土に建設された世界種子バンクの映像。
会長が、消費の名の下にいたずらにスピードを競う食料生産現場の危機と今こそ消費者としての責任を考えるべきだと訴える
2008年種子バンク開所式で、26万8千種のサンプルを保管、やがては400万種の種子を保存する。地球規模の共同体意識の必要性を唱える。
再度、テッラマードレ会場の様子、ロシアの農夫、アメリカンネイティブのワイルドライス生産者、オランダの漁師、フィリピンの農夫達の映像。トリノ会場からパンのワークショップの様子。
インドのバンダナシヴァさんのスピーチ。生きるもの全ては他の生物の糧になる。食物の連鎖なのだが、今や企業が食糧を独占している。テッラマードレの理念としては食について生産現場だけでなく環境など他の分野も併せて一緒に考えて行くべき。
イタリア北部の3haの農地に囲まれた農家。電気、ガス、電話など何も無く、かって一人の農夫が生活していた。家畜は飼わず、土を耕す事さえもせず、農薬類もいっさい使わずに菜園を作り、貧しくても豊かな暮らしをしていた。ここに残された無垢の生態系にも価値があるが、この農夫の暮らしは単なる貧困ではなく新たな悟りとも言える。自然と共存する暮らし。より少ない消費で大きな満足を得ていた。この意味を考え、この土地をテッラマードレ保護区第1号にしてはどうかなど現代社会に向けてその意味を問いかけている。
2008年トリノ大会。米マサチューセッツ州の高校生の実践発表。仲間と畑で菜園、雨水を使って野菜を育てた。この運動が全米に広がっている。人と自然の絆を取り戻そうとアピールすると会場からは割れんばかりの拍手が送られた。フェンネル、ナス、パプリカ、サクランボ、ザクロなどの農作物と老人と孫の映像。家族の庭での食事風景。白インゲン、蔓なしインゲンなどの種子を採って瓶に保存している静かな映像で締めくくり、エンドロールと明るい音楽で終了する。(78分)
この映画を見て、改めて食や農業の大切さ、そのすべてを含む環境の保全や暮らし方を問われていると感じました。
来年のテッラマードレを筑後平野で開催することの意味を私達一人一人がしっかりと考え、そこへ向けて更にその先を目指してこれからの1年、様々な活動、イベントを行っていきたいと考えています。


  


Posted by りじ at 00:09Comments(0)SF協会活動

2012年11月09日

◆里芋掘りと里芋饅頭作り 農業体験ツアーその5

福岡の農業応援団の皆さんに筑後で農業を体験してもらうツアー、今回11月4日は八女市黒木町で里芋の収穫と里芋饅頭作りです。
受け入れは黒木町で米一町歩、お茶、野菜、コンニャクイモなどを作っている黒木たかっぽの城さんです。



里芋畑には120株程の里芋が育っていて、春に植えて、ちょうど今が穫入れ時となっています。
さっそく城さんに掘り方の説明を聞き、グループに分かれてスコップで掘り起こします。



芋の周りに4カ所垂直にザクッとスコップを入れて掘ります。
出てくるのはどれもなかなかの大株です。株から芋を小分けしてみると一株に20個以上の芋がついています。



秋の風が気持ち良い中を1時間ほどかけて掘り上げると持ち帰り用のビニール袋ほぼいっぱいに里芋が詰まりました。



農作業の後はお腹も減ります。農道を10分程歩いて、昼食会場の黒木たかっぽへ移動。
ここは、城寿美香さんが自家栽培の米や野菜、生芋こんにゃくを使って作る黒木の山のごちそうが食べられる食事処。

今日は黒木の清流で育った米のおにぎり、竹の筒(たかっぽ)のだご汁。ナスとジャック豆(モロッコインゲン)の生姜醤油和え、手作りコンニャクと野菜の白和え、きゅうり、人参、大根をおからであえたおからなますと漬物、柿のメニューです。



食材は城さんの田や畑で穫れた物を使い、だご汁などの作り方も昔からこの土地に伝わる作り方です。
季節の物を穫れたてで食べることは栄養価も高く、野菜の持ち味を活かしていて掛け値なしに美味しいです。

容器の竹筒は井出さんご兄弟が竹林から切り出して、口当たりよく成形されています。

食事の後は里芋饅頭作り。この芋饅頭も黒木地方に伝わる伝統食です。



作り方は至ってシンプル。ゆでた里芋を耳たぶ位の柔らか小麦皮に包んで、15分ほど茹で上げれば出来上がり。


子供達もたくさんつくりました。



今日は50名分なので、庭先に大鍋をかけて一度に百個程を作ります。



ゆであがりの熱々を頬張ると、軽い塩味で里芋と小麦の素朴な味わい。



複雑な調味や食感に頼る食生活から抜け出して、旬の食材で素材そのものの持ち味を生かした食べ方に立ち返ることも必要だと思えた貴重な1日でした。

黒木の美味しい空気が一番の調味料とおっしゃる城さんの言葉が心に残りました。
  


Posted by りじ at 00:26Comments(0)農業体験講座

2012年10月26日

◆六ツ門大学SF講座Vol.7 塩麹、醤油麹で作る簡単メニュー

天高く馬肥ゆる秋!
涼しくなってくると食欲も増し、穫れたての美味しそうな食材を見るといろんなメニューが浮かんできて料理に力が入るこの頃です。
今月のスローフード講座は、味噌を造っている食考房つくしの秋吉さんに身体に良い麹を使って作る簡単レシピを教えてもらいます。


 *秋吉さん親子

まずは何にでも使えて、一味もふた味も違いがでる塩麹作りから始めます。



米麹200gに塩をしっかりともみ込んで混ぜ、水200ccを入れて出来上がり。



1日1回混ぜながら1週間程で塾成したら使えます。
瓶に入れて密封すると発酵が進んでフタが飛ぶ事もあるので、しっかりしたビニール袋などで保存します。

塩麹は肉や魚を始め何にでも使え、漬けておくだけでその食材の旨味が格段に増す優れものです。もちろん身体に良い発酵食品。

次に同じ様にして醤油麹も作ります。米麹200gに醤油200cc程を混ぜるだけ。熟成したものを冷や奴にかけて試食したら飛びきりおいしかったです。



さて簡単レシピをご紹介。

その1…中力小麦粉200gを水で溶き、小口切りした小ネギをたくさん入れて、合わせ味噌大さじ2、塩麹大さじ1を混ぜて、天ぷらの様に油で揚げる。



ビールのつまみに最適!簡単なのにびっくりするくらい美味しい!!



その2…鶏の塩麹焼き



鶏もも肉や胸肉を塩麹に漬けて焼いたもの。麹は焦げやすいので、火加減に気をつけて。柔らかく、まろやかな味わいです。



その3…塩麹ドレッシング
塩麹、オリーブ油、醤油少々。好みでレモン、カボスなど柑橘系の果汁を混ぜる。サラダ、マリネ他にも使い方が広がります。


 *秋吉さんの畑で穫れた西洋野菜のサラダ

この他、みそ汁に塩麹大さじ1を仕上げに入れると味に深みが出るなど簡単で美味しい使い方がいろいろ。

つくしの塩麹は道の駅くるめ岩田屋久留米店地下食品売場などで販売しています。



食欲の秋、簡単で本格的な味が出せる塩麹を使ってオリジナル料理作り始めてみませんか。
  


Posted by りじ at 12:42Comments(0)SF講座

2012年10月14日

◆松尾農園ニンニク植え&ニンニク調理体験 農業体験ツアーその4

10月の農業体験は八女市立花町の松尾農園でニンニク植え付けとニンニク料理体験です。松尾農園は県内トップのニンニク生産農家でここのニンニクは通常の一玉6片より多い8片ニンニクです。通常のものよりにおいや効用が強く無農薬で栽培しています。
バスを降りて農道を歩いて行くと稲刈りが終わった田んぼに着きました。



松尾農園では稲の裏作としてニンニクを栽培しています。ニンニクは連作障害が出やすい作物なので稲と合わせれば防止になり、田で作ると病害虫が少ないので良いニンニクが穫れます。ニンニクの穫入れ後に残った葉や小粒のニンニクはそのまま土に抄き込み田植えをするので質の良い米(ニンニク米とネーミング)が穫れるとダブル効果が。



松尾高生さんから植え方の説明を聞き、ニンニク1片を上下逆さまにならない様に気をつけて、指の付け根の深さまで押さえて植えます。



1週間程で芽が出て、手作業で草を取り、来年3月に液肥を撒き、4月に芽摘みをして5月から6月にかけて田に水が入る前に収穫となります。



子供達は田んぼのカエルにも興味津々で捕まえたり追いかけたり、植えるのが終わったらトラクターに乗せてもらい写真を撮ったりしていました。



この後はニンニクを使った調理体験です。今日作るのはニンニクオムレツとニンニクの天ぷら。



この他にニンニクスープ、スローフード協会の会員スパイスハウス吉山の吉山武子さんが作った茄子と豚ひき肉のカレー、松尾農園に提供してもらったニンニク醤油ドレッシングをかけた玉ネギたっぷりの海藻サラダなどのメニューです。



まずはニンニクの効用やカレーのスパイスの効用などの説明を聞き、ニンニクスライス入りのオムレツとニンニクの素揚げ、片栗粉揚げの2種類を作ります。



子供達も一生懸命ニンニクの皮をむいています。調理室中にニンニクの香ばしい匂いと食欲をそそるカレーの匂いが満ちてきて、思わずお腹が鳴りました。



50名と多人数なので配膳には時間がかかりましたが、子供達が箸やスプーンを並べたり、盛りつけた皿を運んだりと手伝います。



食事の後に松尾さんに再び登場してもらい、松尾農園ブログを見ながら話を聞き、ニンニクの胸焼け防止策には牛乳や豆乳が効果有り、匂い消しには牛乳、豆乳のほか八女茶、リンゴも有効など質問にも答えてもらいました。
自分たちの身体、健康を維持する為に必要な食物と栄養に関する知識。こうして生産者の方から直接話を聞いたり質問したりできるのは良い機会で、食や農業について考えるきっかけにもなるはずです。

次回の農業体験は同じ八女市黒木町で里芋収穫と芋饅頭作りです。

  


Posted by りじ at 22:14Comments(0)農業体験講座

2012年10月05日

◆「テッラ・マードレ」-母なる大地- 上映会&トークショー



10月21日(日)1部10~12時 2部13~15時 
久留米市民会館小ホールにてスローフード映画「テッラ・マードレ」の上映会と西日本新聞「食卓の向こう側」の佐藤弘氏をお招きして、協会創立時メンバーとの筑後の食と農をテーマにしたトークショー「ちっごスローフード物語」を行います。

「テッラ・マードレ」とは直訳で「母なる大地」という意味です。
イタリアのトリノで2年に一度開催されているスローフード世界大会の様子を中心にして、「木靴の樹」でカンヌ映画祭パルムドール賞を受賞したイタリア映画界巨匠エルマンノ・オルミ監督が撮ったものです。

描かれているのはテッラ・マードレ大会で世界中から集まった生産者、調理人、学生、研究者などが自分たちの取り組み、食や農の現状と課題など食糧生産現場からの報告、問題提起、アピールなどに加えて、世界種子バンクの開所式の様子や自給自足をかたくなに守った農夫の土地や廃屋の映像。これらをとおして、現代の食や農、私たちの暮しやあり方に静かに淡々と問いかけてきます。

今回イタリアより借り受けて上映します。一般の映画館では取り扱いの無いものですので、是非一度見ていただきたい映画です。



来年12月7~8日に、「母なる大地」と言えるこの豊かな筑後平野で「テッラ・マードレ 母なる大地ー筑後平野2013」を開催することが決まった当協会の告知イベントとも位置付けていますので、どうぞ皆さんお出で下さい。

チケットは前売り1,000円(当日1,500円)当協会、久留米市民会館、くるめすたいる、道の液くるめ内カフェマイマイ、Mrs.パスティ、楠病院、インザガーデン、笑喜家たけしなどで取り扱っています。

このページからのお申込みは、下記URLよりリンク、チラシ裏面の申込フォームに記入してFAXでお送りいただくか
メールに①お名前(ふりがな)②参加人数 ③電話番号 ④emailアドレスをご記入の上
info@slow-chikugo.net へ送信して下さい。

http://syogei.com/gallerysyu/terramadreA4.pdf

お問合わせは下記までお願いします。


NPO法人スローフード協会筑後平野
久留米市宮ノ陣4-29-11-205-1
TEL&FAX:0942-31-5055
email:info@slow-chikugo.net
  


Posted by りじ at 22:59Comments(0)SF協会活動

2012年09月25日

◆くるめ食育フェスタ2012 ~いただきます2~

9月29日(土)10時~久留米市百年公園リサーチパーク1階展示場で「くるめ食育フェスタ」を開催します。




食に関する体験や交流をとおして、地元の食材やそれを作り出す生産者の方たちの思いを知り、食の大切さや健康維持の必要性に気付いてもらうことを目的にしています。
昨年多くの来場者の方たちに親しんでもらい好評だったことで「いただきます2」として、更に命の大切さや食物への感謝の気持ちを育むことへ深めていきます。

4つの体験ブースでは終日楽しい体験が出来ます。(定員20名~)

10:30~と14:30~鶏と育む命の授業
10:30~親子でつくる簡単おやつ
11:00~と14:00~バターを作ろう
11:00~と12:30~スパイスからカレー作り
12:00~にらチジミ作り
12:30~と15:00~生ごみ堆肥から元気野菜作り
12:30~13:30~野菜でふりかけ作り
13:30~と15:00~旬の食材で保存食作り
14:00~15:00~昔のおやつを作ろう

親子やファミリーでいろんな体験をしながら食について考えてみましょう。

ステージのスケジュールは

10:00~開会宣言
10:20~久留米市食育推進団体表彰式

12:00~13:00講演会「食べてつながる命、育つ心」
講師は九州大学大学院農学研究院 助教授 比良松 道一氏

13:30~14:30~キッズ食事のマナー教室(協会会員)
15:00~15:50~うん知育教室(ヤクルト販売株式会社)
16:00~閉会宣言

展示・相談コーナーも子どもたちへのミニチャレンジコーナー、手洗いや歯磨き指導などわかりやすく見ることが出来ます。

そして地元の獲れたて野菜や果物、加工品の販売はJAくるめ・にじ・みい・福岡大城・みずまの各JA、酪農業協同組合とスローフード協会会員の新鮮野菜が買えます。

お腹が減ったら飲食コーナーで美味しいものを食べて一休み。
スローフード協会会員の皆さんが筑後の食材を使った自慢のメニューを準備しています。
お弁当、だご汁、カレー、ホットドッグ、米粉揚げ麺、唐揚げ、スイーツなどなど

また、会場にはキッズコーナーも設けていて、小さいお子さんもお絵かきをしたりゆっくりと遊べます。

作って、食べて、学べる食育フェスタ、去年はたくさん方に参加してもらいました。
今年も親子で家族でお友達同士で一日ゆっくり遊びに来てください。

体験コーナーの受け付けは各体験の開始時間30分前より会場入り口1階ホールの受付で行います。

同時に10月21日(日)にスローフード協会がおこなうスローフード映画「テッラ・マードレ」上映会の
入場チケットも販売します。(前売り1000円)
映画上映と西日本新聞「食卓の向こう側」でおなじみの編集委員 佐藤 弘さんのトークショーを行います。
佐藤さんとスローフード協会創立時メンバーがスローフードや筑後の食と農について語り合います。
日時は10月21日(日)10時と13時の2回行いますので、こちらもどうぞご期待下さい。

それでは今週末の「くるめ食育フェスタ2012」へ、皆さんのご来場をお待ちしています。













  


Posted by りじ at 17:19Comments(0)食育関連事業

2012年09月24日

◆六ツ門大学スローフード講座 Vol.6

スローフード講座9月のテーマはコンパニオンプランツ&生ゴミ堆肥で元気野菜作り
講師は末次自然農園の末次龍夫さんです。



協会理事長でもある末次さんは城島町青木島で末次自然農園を運営しています。
40代でサラリーマンから新規就農。菊池養生園の竹熊医師に影響を受け農薬や化学肥料に頼らず米や野菜を栽培しています。
今日のタイトルのコンパニオンは仲良くさせる、仲介するという意味で、野菜とハーブや花を一緒に植えて、お互いの相性や植物の持つ特性を活用して、農薬に頼らずに自然の力で虫や病気を防ぐ栽培法です。

中世ヨーロッパ、フランスではハーブを所々に植えるコンパニオンプランツの考え方を取り入れて食物を栽培していました。
では、コンパニオンプランツにはどんなものがあるかご紹介します。

トマト+バジル…バジルは水分を多く吸収するので、トマトの余分な水分を吸収し、トマトは甘くなる。
きゅうり+ネギ…ネギの根の微生物やネギの匂いが虫や病気を寄せ付けない。
なす+ほうれん草、人参+レタス、ニラ+セロリなどの組み合わせで互いに生育が良くなる。
キャベツ+レタス類、キャベツ+セロリ…青虫がつきやすいキャベツに、青虫がきらうレタスやセロリ、ニンニクを植える。レタスの切り口の白い液をモンシロチョウは嫌う。
但し、ニンニクと玉ネギの組み合わせは良くない。
他にもたくさんの組み合わせがあります。

末次農園はオリーブ、ローリエの木も植えています。
オリーブは葉にも薬効があり血圧を下げる作用があって、農園の気が落ち着くとも言われている。
花のマリーゴールドは養分水分の吸収を阻む根こぶ病の予防になる。
ほうれん草、小松菜の間ににらかねぎチャイブ。バジル×きゅうり。
うり、カボチャ、きゅうりの間には燕麦を植えるといい。
そうすればウリ葉虫が寄ってこない。
残念ながら農園のウリは7月の水害で長時間水につかり穫れなくなってしまった。



次に生ゴミ堆肥について話しましょう。
微生物を有効に使うやり方です。
米ぬかとEMを根にまくと微生物が増え、作物がよく育ちます。
普通は化学肥料+農薬を使い作物を育てるが、
末次自然農園ではその二つには頼らずに有機物と微生物の作用を最大限利用して野菜類を栽培しています。
わらや草など有機物を栄養として分解するには微生物が必要で微生物を取り入れて育った植物は構造自体が強くなります。

ミツバチの話
日本ミツバチ 果樹受粉には必ず必要。
セイタカアワダチソウの蜂蜜、実は一番おいしいと言われている。
れんげ米が近くにあるがミツバチが大量によってくる.

ある種の農薬がミツバチの減数に影響しているのではとの見解があるが、ミツバチ以外でもひきがえるやトノサマガエルも減っている。それを食べる小鳥も減っている。鳥については、キャベツなどを喰い荒らすヒヨドリもめっきり減っている。自然界の食物連鎖の中で何かが起きていないか、気がつくとおかしな環境になっているのではないか。
人の一生は高々100年だが、経過を長い目で見て行く必要があるのではと気がかりだ。

枯れる野菜と腐る野菜があるが二つの違いが分かりますか?
答えは微生物が介在しているかどうかで違ってきます。
腐るのは化学肥料栽培の野菜で、種まきから収穫までに2ヶ月とかからないものです。腐るので無く枯れる野菜とも言えるのが、微生物が作用した元気野菜で、その倍の生育期間が必要です。

生ゴミ堆肥は牛糞、腐葉土、米ぬかを混ぜて作る。
土の中の生きている微生物の作用でいい野菜ができる。
野菜屑、魚くずなどで腐っていないものを2センチほどに小さく切れば分解も早い。
丁寧に土を混ぜ、空気を入れてやる。発酵系の菌には空気が必要なので活発に働くようになる。
ブルーシートで覆い発酵させる。3日目に白い綿飴のような糸状のカビがでてくる。切り返し5日目にまた混ぜ返す。1週間でまた混ぜ返す。繰り返していくと約1ヶ月程で生ごみ堆肥が熟成する。土のいいにおいがしたら出来上がり。

ベジランド収穫とBBQ
今日は午後、中学生が農業体験に来る。くーみんテレビの取材もはいる予定。
土に触った事が無い人も居る。
近未来に食料は足りなくなるかも。そのときは自分で作ればいい。
米を作ればいいのでその手だてを教えようと思う。

40代で脳梗塞をおこし、体調崩して農業に取り組むきっかけとなったが
今の農法のやりがいと意義は強く感じていて広めて行きたい。

ミツバチの普及にも取り組みたい。
筑後川流域にミツバチの巣箱を設置してミツバチの里作りしたい。
200年後の地球環境保全を考えて、普及活動をやって行きたいと熱い思いも語りました。
  


Posted by りじ at 01:05Comments(0)SF講座

2012年09月17日

◆水菜小松菜収穫とジャガイモ植え付け 農業体験ツアー その3

先週に引き続き3回目の農業農村体験、今回は久留米市太郎原の野村農園で水菜、小松菜収穫と秋ジャガイモの植え付け体験です。
野村さんは、久留米市の認定農業者でもあり、水菜、小松菜、レタス、スイートコーン、ヤーコンなどを栽培、スイートコーンの収穫体験は大変な人気で1500名もの参加があり、ヤーコンはお茶として加工、商品化までしています。



今日は野村さんの指導で、最初に水菜と小松菜の収穫体験です。ハウスの中で青々と育った小松菜、柔らかく瑞々しい水菜を根から抜き取って収穫します。ハウスの中は思いがけず涼しく土のにおいがしています。それぞれ取った葉物は袋に入れて持ち帰りです。



次は場所を移動して秋ジャガイモの植え付け体験です。



今日植えるのは「インカの目覚め」という名前の小振りのジャガイモで、東北地方など寒冷で比較的標高の高い土地で栽培されているものです。9月に植えて11月の霜前に霜よけをして12月には収穫できます。春ジャガは切って植えますが、秋ジャガは切らずに丸ごと一個を植え付けます。



1畝を10人ずつ、全部で6畝を植えて行きます。珍しい畝作りの農機具、「2丁どこ」という、昭和の初期から使われているもので2つの溝を同時におこして行きます。体験した子供は全身で引きましたが、なかなか動きません。



できた溝に木片で30cmの間隔を計り、芽を上向きにして置いて行きます。



肥料を撒いた上にわらをかけ、最後に野村さんがトラクターで土をかけます。5歳の子供から、なぜわらを置くのという質問も出ました。
畑は暑かったですが、畝たてから植え付けまで50人で動けばどんどんはかどります。



午前中の作業を終わり、昼食会場の道の駅くるめへ移動です。
道の駅くるめは、日曜日の昼時でもあり駐車場が入りきれないほどにぎわっています。
研修室で地元食材を美味しく食べる食育レストラン「ほとめき庵」の食育弁当をいただきます。



食育弁当の中身は根菜のがめ煮、おからのコロッケ、久留米産ゴーヤの佃煮、村田ふ化場グルメ卵の卵焼き、久留米産オクラのとろろ梅肉乗せ、久留米産なすの田楽、玄米ごはん、季節野菜たっぷりのみそ汁です。身体を動かした後の食事は格別で、子供達もみそ汁のお代わりをしました。
その後、道の駅の宮原駅長に、道の駅くるめの取り組みを話してもらいました。



地産地消を勧めている、安心安全な野菜を目指して残留農薬のチェックもきちんとしていること、レストランでは残飯、食材の切れ端などで肥料を作り、野菜作りに使用する循環型の環境対策をとっている事などを興味深く聞きました。

食事の後は道の駅での買い物です。テイクアウトコーナーには地元の食材を使ったスローフード会員のお店もあります。
野村さんのお店「ゆたぁ〜とカフェ・マイマイ」のジャージー牛のソフトクリームを食べたり同じく会員の執行さんのお店ミセスパスティでミートパイをお土産に買ったりとそれぞれ筑後の美味しいものを持ち帰りました。

実りの秋にはまたゆっくりと筑後平野へおいで下さい。
  


Posted by りじ at 14:07Comments(0)農業体験講座

2012年09月02日

◆アスパラ収穫と田んぼの草取り体験 農業体験ツアーその2

8月25日(土)に福岡の農業応援ファミリーの農業農村体験ツアー第2回目を城島町青木島の末次自然農園で行いました。



大型バスでやって来た皆さんへまずは公民館で今日のスケジュールの説明をしてアスパラハウスに移動します。
末次さんからアスパラの収穫の仕方を聞き、それぞれハサミを手にハウスの中へ入ります。長さが10cm程のものは出荷真近なので採らない様に気をつけ、40cmくらいのものからハサミで切っていきます。



しばらくしたらカップに一杯のアスパラを詰めて出て来た皆さん、末次さんから長さを切りそろえてもらい、午前中の体験は終わりです。
7月の豪雨で冠水したアスパラハウスですが、今は復旧していて安心しました。



昼食は採れたての野菜や手持ちの材料を活かして作るのが信条の農家のお昼ごはん。末次さんの奥さんが手際良く調理します。



今日のメニューは、梅の混ぜご飯アスパラ入り、自家製みそのみそ汁、レンコンの炊いたもの、オクラのごま和え、アスパラの漬け物,高菜巻きおにぎりなどです。どれも特別な食材ではありませんが、旬のもの採れたてのものを使うので、季節感あふれ栄養価も高く、身体に優しいごちそうです。素材が良いから味はシンプルに薄味で、食材の持っている持ち味が損なわれない様に工夫されています。メニューの説明を聞いて皆で一斉に「いただきます」



それぞれお代わりをしておなかがいっぱいになったところで、デザートにイチジク、ウリの季節の果物をいただき「ごちそうさま」となりました。



午後は田んぼの草取りです。削り鎌の使い方の指導を受け、末次さんの無農薬栽培の田んぼを目指して歩きます。



草の取り方を聞き、始めは恐る恐る遠慮がちに田んぼにはいりましたが、しばらくすると皆さん懸命に草を刈り手で引き抜いたりして、どんどん奥へ進みます。稲と同じくらいの背丈の子供達も一生懸命草取りしました。



午後1時頃。一番日差しが強くなる炎天下での草取りでしたが、皆無事に作業終了。冷たい井戸水で手足を洗い、また歩いて公民館まで戻ります。



冷たいお茶と公民館がある天満宮境内の梅で漬けた「天神さまの梅干し」で体力回復!



半日の農業体験でしたが、暑い中を汗をかいての作業の中から皆さんが受け取ったことがきっとあるはずだと思います。食卓にのる米や野菜が栽培される田や畑、それを作る農家の方達に思いを馳せて味わえば、より味わい深い食事となることでしょう。



次回の農業体験は一週間後に水菜、小松菜の収穫体験をおこないます。
  


Posted by りじ at 00:44Comments(0)農業体験講座

2012年08月24日

◆イタリア スローフード協会本部へ その2



SF協会本部を後にして、また通りをゆっくり歩きながら戻っていくと、カタツムリマークのSFグッズのお店発見。さまざまな書籍やSFグッズが並んでいます。残念ながらすでに閉まっていたので外から写真を。



その後すぐにお目当てのレストランが見つかり、早速中へ。入り口は狭いのですが中庭がありそれを囲む様な古い建物がオステリア「ボッコンデヴィーノ」として使われています。2階室内の棚に保管されているワインの量には驚きました。ピエモンテ州はイタリアの北西部でフランスと接する位置にあり、有数のワイン生産地です。SF協会もワインのガイドブックを出版していて、世界中で使われているそうです。



風が心地良いので中庭席を取り、地元食材使用のマークの入ったメニューを数種選び、スタッフお勧めの赤と白ワインを注文しました。
ここはSF協会直営ではありませんが、スローフードレストランとして良く知られたところ。ミシュランにも載っています。水曜日の夕刻ですが、空席があっても予約してないと断られた客も多く、なぜかラッキーな私たち。列車の時間が午後9時台だったので、今日の小旅行を締めくくって食事を楽しむことに。



回りの客もゆっくりワインを楽しんでいます。イタリアはサービス意識が日本と違って、やる気があるのかと思いたくなるくらいきっちり分業して、その分しか動かない、客が待たせられるのも当たり前です。最初は驚きましたが、慣れてくるとこちらも食事の時間や買い物の時間にスピードや効率性などを持ち込まず、ゆっくり楽しもうと思えば楽しめます。


*まずはワインで乾杯!最初の一皿はヤギのチーズをナスで包み焼いたもの ポモドーロソース添え(トマトソース)


*仔牛のロースト マヨネーズ風ソ-ス


*ウサギのグリル、ポテト添え


*ドルチェ ピスタチオを使ったアイスクリームのように冷たいクリームのケーキ(これは今回の旅行中で一番美味しかったデザート)

その地域で採れる食材を活かしたメニューと持ち味を損なわないシンプルな味付けで、一皿一皿が満足できる美味しさです。
お皿にはおなじみスローフードのロゴとカタツムリが・・・

帰りも又、駅まで小さな通りを歩いて戻りましたが、人の動きや街の様子から暮らしの時間がゆっくりと流れているような印象を受けました。
他の都市でも同じですが、町中に乱立する看板や自販機、コンビニエンス店、ファストフード店などはほぼ見当たりません。
ローマやミラノなど都市部にはマクドナルドが進出していますが、街の景観を損なわないような店舗作りをして、古い街並みに違和感を与えない程度で展開しているのです。


*真夜中の乗り換え キバッソ駅

大量の物質や過剰な便利さの中で本当にそれが必要なのか、それを維持するために却って自分たちの働き方や暮しや環境を圧迫していないか、今回イタリアに来て毎日いろんな街を歩いてみて、改めて奥底から湧き上がってきたことです。

価値観をどこに置くかや物事の両面をバランス良く見て受け止め、自分が楽しめるかどうか…

はるばるブラ市まで来て見て、自分達の地域の特色(田舎、豊かな食材、ゆっくりした暮らし方)を活かした街作りをスローフード協会の動きと連動して行い、相乗効果や経済効果が生まれているのは確かだと思えました。


*ブラ(21:14発)→ここの移動はバス。やっと暗くなってきました→カルマニョーラ駅(21:57)→キバッソ(23:00)運行かなり遅れた→ミラノ(午前1:15着)





  


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2012年08月22日

◆イタリア スローフード協会本部へ

イタリア、スローフード協会の本部へ行って来ました。
ミラノ(14:10発)から列車を2回乗り継ぎ、3時間半ほどをかけてスローフード本部のあるピエモンテ州ブラ市へ。


*ミラノ中央駅 このユーロスターに乗ります。

最初の乗り継ぎ駅トリノ(15:35着)ここは有名なフィアット本社がある自動車産業が支える都市ですが、そこを過ぎた辺りからは車窓から見えるのは一面のとうもろこし畑。
ところどころに何かを防ぐようにまとまって植えられている背の高い樹林がある他は延々と大規模な畑が続きます。
ぶどう、麦刈り後の畑、牛舎、そして点在する農場など。


*トウモロコシ畑と農場

つぎの乗継駅カバレルマッジョーレ(16:15着)では30分以上の遅れ待ち。
イタリアの常で列車はどこかで必ず遅れます。乗り継ぎ時間が短いとハラハラしないといけません。駅には到着のアナウンスや発車のベルも無いのです。やっと降り立ったブラの駅。午後5時半頃。 
人口3万にも満たない小さな町です。日本から持ってきた資料に書かれた住所を目当てに駅前の通りへ入ります。


*ブラ市の駅前の通り 静かです

道路を渡った駅前の公園では夕刻の時間(イタリアはなんと今の時期、午後9時半頃やっと暗くなります。)お年寄り、子連れ家族など大勢の人たちがゆったりとベンチに座ったり、遊具で遊んだりして過ごしています。なんかこれからイベントでもあるのかというぐらいの人数です。


*思い思いに過ごしている人たち

通りに入ってふと目に付いたのはアスファルト上のWi-fi表示。周辺の建物は数百年は経つ古い歴史的な石造りの建物で道路も狭いのですが、ネット環境は整っているようです。


*SF協会前の広場

そろそろ目的の住所地に近くなってきたところで、さらに古い宗教的な建物(教会)のある広場に出ました。
もうそろそろな感じですが見当たりません。探し回ってふと上を見ると開けられた窓にかかったテッラ・マードレの旗。
郵便受けにはおなじみのSlowFoodの文字が。(きっと、ここ!)



恐る恐るベルを鳴らしてみると門が電動で開きました。(ちょうど約束の午後6時)
中庭を囲んだ2階建ての小さな建物です。本拠地なので大きなオフィスを創造していたので意外な感じです。


*中庭を囲んだ2階建ての建物

2階へ上がったところで出会った方に取次ぎを頼みカルロッタ・バイトーネさんと会いました。
カルロッタさんは日本も含めた東アジアの担当で、まだ20代と見えるイタリア人の若い女性。
まずはSF本部の中を案内してもらいました。アジア、アフリカなどエリアに別れた執務室があり、いろんな国の人たちが働いています。その日残っていた人たちは20~30代と見える若い世代が多いという印象でした。


*大陸やエリアごとに別れた執務室

会長席はなぜか部屋の片隅に追いやられていましたが、理由は今は同じ市内にあるSF食の大学に居ることが多く、ここにはほとんど居ないからだそう。(空いたままではもったいないので、有効に使わないとね とカルロッタさん)

カルロッタさんともう一人の女性、訪ねた私たち2名の4名で会議室で質疑応答。
自己紹介後に、まずは筑後地域の紹介とSF協会筑後平野の概要を話し、農業の後継者不足や高齢化、過疎化が進み、伝統的な地域の食や食文化を次世代に伝えにくい状況で、消えつつあるなどの課題を話したところ、イタリアでも同じような状況のようです。


*たくさんの出版物が書棚に

テッラ・マードレを来年12月に開催予定でSFジャパンに要望を出していること。今後、実行委員会を立ち上げ、内容の検討に入る段階であること。それに先立った映画の上映会を今年はまず手始めとすることなどを説明。
テッラ・マードレ国際大会はイタリアトリノで2年に一度開催、今年は10月25日~29日なので、来年の開催なら今年視察に来られることを薦める。来年の開催へはイタリア本部もさまざまなバックアップをする。こちらはSFジャパンを通してのやりとりとなることを伝えました。今年の12月10日テッラ・マードレ・ディにはぜひこの旗を掲げてと旗、DVD、資料などをもらいました。


*さまざまなパンフレット類

情報発信について聞いたところ、力を入れていてサイトや出版物、デザイナーやプロデューサーなど多くの人が関わっている、
メディアとも密に連絡を取り合いうまくやっている。
カルロッタさんの執務室にはアジアから寄せられたお茶などと共に昨年の雲仙のテッラマードレのポスターが張ってありました。
1時間ほど滞在し、最後に記念写真を撮ってお別れしました。(左から二人目がカルロッタさん)



市内のスローフードレストランでの食事を勧められ、行ってみることに。

直営ではないが地元食材を使ったスローフードレストラン、期待も高まります!

                                    続く
  


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2012年08月21日

◆六ツ門大学スローフード講座 Vol.5

8月のスローフード講座は17日(金)に不動産鑑定士の浅川博範さんを講師に「宅地・農地の評価と久留米市の地価推移について」のテーマでおこなわれました。



まず始めに、不動産の価格はどのように決まるかについて
不動産の価格は買い手と売り手のバランスで強い方に振れる。高くても買いたい、予定より安くても売りたいなどの度合いの強さで決まるので、客観的な指標とはなりにくい面があり公的な評価が必要となってくる。

公的価格は様々な省庁や行政機関が評価していて①地価公示価格(国交省)②地価調査価格(福岡県)③相続税路線価(国税庁)④固定資産税評価額(総務省、市町村)があり、個人での土地売買、訴訟や金融機関による担保額の査定、公共機関の用地買収時に利用される。
一つずつ説明すると①地価公示価格(国交省)は国交省が毎年3月下旬に発表しているもので、全国の調査地点で不動産鑑定士が評価した価格に基づいている。久留米市では宅地36地点、商業地16地点工業地2地点を浅川さんが評価決定している。

久留米市六ツ門大学前の商業地地価の推移を例に説明するとS56〜H24までのデータではS56年が600,000円/㎡だったのが、バブル期のH3年がピークで1,210,000円/㎡と急上昇。(前年比17〜19%も上昇)バブルの崩壊とともに下がり、H7〜8年頃になると郊外型商業施設の建設が始まり、市中心地の価格が下がり始める。H24年現在、118,000円/㎡とバブル期の10分の1となっている。郊外型商業施設エリアが高い時期はまだ続くが、ライフスタイルの変化とともに変わってくることもある。

一方宅地については、高かった櫛原エリアがH10年坪単価161,000円と高値ピークでH15〜16年より下がり始め、今は首位ではなくなっている。理由は駅、主要交通機関から遠いなどがある。代わって今地価が高いのは、花畑駅周辺区画整理エリアで、坪40万円前後で取引されているところもある。
②地価調査価格(福岡県)は各都道府県が毎年7月に調査地点の価格を公表するもので、国交省の地価公示とは相互に補う関係にある。
③相続税路線価(国税庁)は不動産鑑定士による評価額などを基準に国税庁が7月に公表する。これを基に税理士が相続税額を決めたり銀行の担保評価に利用されている。
④固定資産税評価額(総務省、市町村)不動産鑑定士による鑑定評価を基に決める。不動産取得税、金融期間の担保評価に利用。あくまで課税のための評価額なので実際の売り買いの額とは変わってくる。
この4つの公的価格でなぜ地価が違うのかというと、基準となるのが公示価格・基準地価格でこれを100%とすると、相続税路線価がその80%、固定資産税評価額が70%の位置づけとなっているからだ。



宅地の価格を決める要因としては道路の幅など街路条件、最寄り駅など交通機関への距離、環境条件、建ぺい率など行政的条件などがある。久留米市では合併後新市となったエリアで三潴町は評価が上がり気味である。理由は西鉄沿線の利便性による。田主丸は交通機関が無いので逆に下がっている。北野は甘木線があるので、下落は収まっていると言える。

では、宅地の評価はどのように決めるのかというと、実施の取引事例を参考にする。家賃収入、事業売り上げを基にする。他に分譲マンションの販売価格から諸経費を引く開発法、土木業者による造成価格を基にする積算法などを参考にして決めている。

一方、農地の評価はどのように決まるのか、価格の基準になるのは固定資産税評価額である。それに気候、地形、土壌、水などの自然要因や災害要因、収益や市場などの経済的要因が加味される。実際には農地の取引事例や米・麦の収益を基準にして算定し評価している。



最後に、今後の不動産の評価や流れを予測すると、
急速な少子高齢社会により買い手が減少、不動産は供給過多となり、結果値下がりする。地方都市では地価の下落が続く。
土地神話の崩壊により更地の価値が低くなる。日本ではこれまで更地に価値を置きこだわってきたが、今後は欧米の様に建物の収益性によって価値を上げるという方向になって行く。
中古住宅流通の強化(リノベーションにより不動産価値を上げる)
地域で価格の二極分化が進む。(私鉄沿線、駅近くは有利)
市中心部は建物建設より駐車場として運用が有利。大手業者による一括借り上げが更に安全、効率的である。
消費税増税前の需要が予想されるのでマンションや戸建住宅用地は強い。
全国的にメガソーラー建設が進み始めているので、その建設用地として貸すという新しい動きも出て来ている。
これらの助言を聞いて終了しました。
  
  


Posted by りじ at 22:50Comments(0)SF講座

2012年08月16日

◆ちくごの生産者が語るトークシリーズ『つば飛ばしぐっちょ!』

つば飛ばしぐっちょ!今年も開催。
第1回めは、8月7日(火)の13:30より久留米市通町にある元気計画Showroomにて行いました。 

出演は末次自然農園 末次龍夫、野村農園 野村勝浩、原嶋製茶園 原嶋猛夫、でん一農場 田中良一、ゆたか園 石井豊勝、コーディネーターは田中美智子の皆さんです。



まずは、自己紹介を兼ねて今の取り組みなどについて
末次氏:脱サラ組でアスパラガスを中心に栽培している。40代始めの病気がきっかけで様々見直し、菊池養生園の竹熊氏にも影響を受けた。なるべく自然に微生物の作用をうまく使っていく農業をおこなっている。今はミツバチを使う農法も研究している。
原嶋氏:矢部村で30〜40年前は当時一本5千円もする杉を植林していたが父の代で茶の栽培を始めた。茶の苗から育てている。現在はこだわりの茶が少なくなり、消費者のニーズに左右される現状がある。緑茶、お配りしたふるふる緑茶その他、紅茶、ほうじ茶などを作っている。
田中氏:砂地栽培でトマトを作っている。被災して持参出来るものが何もないのでプランターのトマトを持参した。脱サラで就農。当時連作障害が起こっていて、土作りのためEM作りに参加したのがきっかけとなる。田んぼがあったので自分で始めることに。トマトの砂地栽培を行って感じるのは、農業はもの作りといえること。現代はもの作りから離れていっている時代なので農業の現場からもの作りをアピールしたい。砂地栽培法をさらに知らせたいと思いイベントなどにも参加、アピールしている。
野村氏:水菜小松菜スイートコーンなどを栽培。今、ヤーコン茶を作っている。6次産業の位置づけ。健康志向の中、機能性のある野菜を作る。マーケティング、販路拡大を目指して体験農場にも力を入れている。
石井氏:脱サラで新規就農した。アーティチョーク、ズッキー二、バジルほか様々な西洋野菜を作っている。今後は有機野菜も作りたい。飲食店へ直接卸している。



田中美智子氏:2006年より食にかかわってきた。今は料理の講師でさえ農業や農産物を知らなさ過ぎる。食(消費者)と生産者を結ばないとどんどん乖離してしまうと感じ、生産者としての声、生産現場をもっと知ってもらいたいと思っている。
野村氏:農家は職人肌なのでPRをあまりしない。しかし今はそれが必要である。子供たちへの食の啓発が必要だと思う。オクラや青シソは大量に扱っていると指の指紋が無くなってくることなど知っていますか。
原嶋氏:茶も指紋が無くなる。きゅうりを例にとると昔と今のきゅうりは違う。昔は表面にイガイガがあったが今のきゅうりには無い。消費者の好み動向に影響され、売れるものを画一的に作るようになった。良いものは作業に手間がかかる、一方では経済性も考えねばと難しい。
農業は作ったものが売れるなら楽しくストレスが無い。それは自分の判断で時間を決め、自分のやりたいようにやれるからで、やりがいがあると思う。今、ラーメン店で出す冷茶をという要望で作り始め展開している「ふるふる緑茶」に力を入れている。
石井氏:直売所中心に出荷しているが、販路広めたい。今作っているブラックチェリー種のトマトは料理長よりのオファーで作り始めたように、新種にも挑戦していきたい。
末次氏:野菜、農産品は旬があってしかるべきだ。年中出回っている状態だが、自分の体を健康的に維持するためには旬の野菜が必要。消費者は野菜に美味しく食べられる旬があることを知ってほしい。



今回の豪雨災害を踏まえてとこれから
野村氏:5年前にも被災したので、その時に無事だった土地にハウスを建てていた。そこは無事だったが、水田は水につかった。今年は米価が上がるだろう。
末次氏:毎年発生する夜燈虫は水につかるとだめになるので、虫害は少ないだろうが水田の被害は大きい。
原嶋氏:国道442号線が寸断されて今、家族と別々に暮らしている。受験を控えた子供と妻は学校の近くに自分は残って農作業を。矢部村もそうだが星野はさらに被害が深刻な状況だ。茶業は7月に選定をしないといけないが、道路が寸断していて機械を茶畑に入れられないところもある。
石井氏:足の故障で、遅れて畑を見に行った時には50cmくらい冠水していた。体調を整え、今後も積極的に展開して行く。
野村氏:自然を生かした農業を。また。自然との「共生」が大事である。今回の災害では改めて山のもつ働き、大切さを知った。山の保水力が減っているのでは、広葉樹を植えるなどして保水力や自然の力を備えた山作りが必要だ。
末次氏:今回、Facebookのつながりで災害の状況を刻々と知ることが出来た。農家もITツールを活用して農業をやるべきと思っている。保水政策についてもっと取り組んでほしい。
田中氏:地域の水路(クリーク)の管理をしているが、今回の災害で地域の人同士のつながり、連携が大切で力となると改めて感じた。



最後に
田中美智子氏:有明海の海苔生産者が星野村へ海苔を届けた。海も川を通して山の恩恵を受けていることの象徴だ。今日参加した方達も食について考え命を育むことの大切さをそれぞれが伝えていくことで、農業、生産者への協力者であってほしい。
末次氏:来年12月7〜8日に開催のテッラマードレでは山・海を含めて筑後平野を知ってほしい。山から海まで地域、環境は一体化していることなど広くアピールしたい。そのためには生産者は語ること。消費者と生産者がつながることが必要だ。スローフード協会筑後平野は畜産業を含め生産者の会員が多いのが特徴。筑後地域の食をどう考え伝えていくかの集大成としたい。



*やはり、予定時間をオーバーしてのつば飛ばしぐっちょとなりました。
その後は、それぞれ名刺交換・情報交換をおこない、会場に並んだ本日の出演者が育てた新鮮野菜を購入しつつ、さらに質問や意見交換が続きました。
この「つば飛ばしぐっちょ!」は第2回目、3回目も開催しますので、どうぞご期待を!


  


Posted by りじ at 16:19Comments(0)SF協会活動

2012年08月02日

◆杏里ファームでジェラート作り ~農業体験ツアーその1~

夏の日差しが眩しい7月最終日に農業農村体験ツアーの受け入れが始まりました。

場所は柳川市西浜武にある杏里ファームです。
椛島一晴さん夫妻が経営される筑後では珍しいマンゴー、ドラゴンフルーツ、パイナップル、バナナほかトロピカルフルーツの農園です。



今日は福岡から来た親子など50人の皆さんがハウス見学と除草、マンゴージェラート作りに挑戦します。
朝、杏里ファームに着くと暑さ対策にと前日、遮光テントを張ってもらい準備が整っていました。



まず始めに皆で園主の椛島さんに杏里ファームの生い立ちや取り組みなどのお話を聞き
それから3班に分かれて、アップルマンゴーの栽培見学、ハウス内の除草、ジェラート作りなどを行います。



ここのマンゴーは鉢植え栽培をしているのが特徴で、鉢植えのメリットは味に濃くが出る、栽培しやすいなど、ハウス内には400本近いマンゴーの木があります。
一つ一つの実にネットがかけられていて、熟したマンゴーは自然にネットの中に落下します。それが完熟の証拠です。
椛島さんたちは初め沖縄のマンゴー栽培の専門家に尋ねながら、試行錯誤でチャレンジしてきたとのこと。



木のオーナーも募っていて、オーナーになった方たちは目印の木彫りのネームプレートなどを置いて収穫を楽しみにしているようです。
ハウス内は35度くらいの暑さでしたが、皆さん初めてマンゴーを真近に見て何年目の木か、収穫時期はいつかなど様々な質問が出ました。



アップルマンゴーのほかにも九州では珍しいレッドキーツという大型のマンゴーやバナナ、パイナップルなどが実をつけていました。
マンゴーは7月~8月にかけてが収穫時期で、今がまさにその時。敷地内の直売所には朝からマンゴーを買いに来るお客さん達が出入りしています。



そのあとは、いよいよ穫れたてのマンゴーを贅沢に使ってマンゴーのジェラート作りです。



マンゴーの皮むき、切り方も教わって子ども達も切ってみます。砂糖他の材料を混ぜてジェラート製造機に流し込み出来上がりを待ちました。



昼食で椛島さんの自家製米のおにぎりと有明海苔、地元夏野菜の味噌汁を食べた頃にはジェラートが程よく冷え、早速試食。
甘く濃くがありなめらかなマンゴージェラート。
作り立てを食べれるチャンスはそうそうありません。皆さん、その美味しさには満足だったと思います。


*あまりに気温が高くて、冷えるのに時間がかかりましたが、オリンピック聖火のように形良く決まりました。


暑い中、無事に終わった農業体験。
筑後地域の農業や農産物に親しみ、それを作っている方たちの取り組みや思いを知ってもらうことができれば。

大勢を受け入れていただいた椛島さん夫妻にお礼を述べて、杏里ファームを後にしました。
  


Posted by りじ at 23:45Comments(0)農業体験講座

2012年06月22日

◆博多阪急うまか研究所

博多阪急食品売り場にあるうまか研究所。
ここで毎月開催される生産者が語るシリーズ。
ちくごの生産者、作り手の話が聞ける人気のシリーズです。

6月13日は久留米市内で居酒屋を営む平川武さんが講師として語りました。



筑後は米、野菜果物の他に久留米さざなみ鶏や馬刺、和牛などの畜産品も豊富な所です。
平川さんの店では地産地消をモットーに食材を選び、食をとおして幸せな暮らしを送ってほしいと考えています。

店では野菜本来の味を味わってもらうために「野菜をそのまま食べる」という出し方もします。

では、ここで質問です。
「虫がつかない野菜とついている野菜はどちらが良い野菜でしょうか?」

よく虫がついてる方が美味しい野菜だと思われがちですが、実は虫がつくのは作物の弱っている部分なのです。
虫がつかない野菜の方が元気な野菜だと言えます。
その元気な野菜は強いので無農薬でも虫がつきません。

また、人参やホウレンソウのエグミは実は化学肥料から生じるものです。

皿にもった人参、インゲン、スナップエンドウを試食しながら、皆さん熱心に聞いています。



続いて、身体の中の役に立つ菌の話。
人の腸には100兆もの数の菌がいます。外部から侵入してくる悪い菌を防ぐ役割もするので、この菌がうまく働いていると人は健康を保てます。
では、菌の働きを良くするためにはどうしたら良いでしょう。
答えは、味噌や麹などの発酵食品を食べること。食べ物をよく噛むこと。水分を必要以上に取り過ぎないこと。
体内菌の働きで自分の体は自分で守るという感じですね。



最後はリサイクルの話へと進みます。
調理で出た野菜くずに米ぬかを混ぜて寝かせておいたものを土に混ぜると発酵菌の作用で良い土ができ、その土から元気な野菜が育つのです。

環境アドバイザーでもある平川さんのお話に、参加者の方より質問が続きます。

ユニークな店名「ツイてる笑気家たけし」の由来なども披露して本日のお話は終了となりました。




  


Posted by りじ at 01:12Comments(0)

2012年06月21日

◆六ツ門大学スローフード講座 Vol. 3

6月のスローフード講座は久留米市田主丸で西洋野菜を栽培しているゆたか園の石井豊勝さんが農業の取り組みや自分の思いについて語りました。



石井さんはサラリーマンを経て就農。農業大学で学問的に農業を履修し、更に多くのことを農家の方から実体験を通して学び、7年前に本格的に農業を始めました。

今直面しているTTP(環太平洋連携協定)のことや農薬にも言及。農薬はだめという固定観念があるが、日本で使われている農薬は人体に悪影響を及ぼすものではないこと。

有機栽培のメリットは自然の養分をうまく使って栽培していて、大変日持ちの良い元気な野菜がとれること。



受講生の皆さん、石井さんが持参した西洋野菜の名前、食べ方を熱心に聞き、途中のリフレッシュタイムでは自家栽培のレモングラス、ステビア(甘味料)のハーブティをいただきました。
ほんの少量のステビアがこんなに甘いとは驚きです。


 爽やかな初夏のハーブティ


 キュウリ・インゲン豆・茄子・珍しい白なす


 紫キャベツ・アティチョーク(西洋あざみ)・ズッキーニ

TTPのこともあり後継者が更に減るのではという不安もあるが、石井さんは若手の就農者が増えることに期待しています。
自分がやっている農業が他の若い人たちに楽しく見え、やってみたいと思ってもらえる様にと考え、スローフードにも取り組んでいます。


 紫玉ネギ・ジャガイモ

一方で新規就農のネックになっているのが土地探しが難しいなどの問題です。遊休地の貸し出しなどやりやすいシステムを作ることが必要でまだまだ課題が多いとも言えます。

石井さんが今取り組んでいるのが、都市部の人たちに農園へ来てもらい実際に見て触れて感じてもらうことです。
そのために野菜の収穫体験やとれた作物でのバーベキューなど、いろいろやってみて農業のファンを増やしたいと考えています。

  


Posted by りじ at 23:17Comments(0)SF講座