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2012年11月20日

◆鶏の解体と鶏調理体験 農業体験ツアーその6

農業農村体験ツアー第6回目は11月18日(日)に鶏の解体と各部位を使った調理体験をおこないました。
耳納連山のふもと久留米市草野の鶏舎見学からスタート。



南筑ファームの古賀宣彦さんから鳥インフルエンザ対策として防鳥ネットや消毒液などで防除を徹底していることや一旦かかるとその鶏舎から半径20Km圏内に影響が出るので畜産農家は対策を徹底していることなど説明を聞きました。


*子供達は生まれたばかりのヒヨコに夢中。

会場をえーるピア久留米に移して「ニワトリと育む命の尊さ、食の絆」のテーマで命の現場を映像で追います。



親鳥が41度の温度で抱卵すると温度37度、湿度70%で卵の内部で細胞分裂が始まります。
1〜2日で血管が出て3日目大きさ2mmくらい、更に心臓、脊椎などが形成されてくる。1週間で目や背骨がはっきりして来て13日目で羽毛が生え足の形が出来、18日目ヒヨコの原型が出来る。内蔵は身体の外で形成され後で体内へ入って行くと言う説明に生命の不思議、神秘さを見て、驚きました。そうしていよいよ21日目にヒヨコが生まれます。

鶏は生産性が高く私達の暮らし、食生活に欠かせない存在と言えます。

食肉の他にもワクチンなどの医薬品、化粧品、飼料など多様に使われています。

大型の孵化器でふ化され、養鶏農家の注文に応じています。ヒヨコは30度くらいに暖めて飼い、平飼いで鶏の健康管理には特に気を配り、鶏の呼気で二酸化炭素が増えすぎないよう換気し、床に敷いたかんなくずは湿気無いよう乾燥状態に保ちます。
こうして体重が3kgの良質のタンパク質やビタミンを含んでいる鶏になり、出荷時には農水省の検査を受けて食肉になっています。
その後の解体は「はかた一番鶏」を使いました。



丸鶏が手際よくさばかれておなじみの肉の部位になっていく様子は皆初めてで、真剣に古賀さんの手元を見つめました。

続いて各班に分かれて鶏の各部位を使った調理体験です。


*真剣に取り組みます。


*熱心に聞き取ります。

子供達もサラダに使う胸肉を小さく裂いたり、野菜を混ぜたりと大活躍。


*野菜を切る。


*ゆでた鶏胸肉を裂く。


*鶏ガラスープ。

メニューは鶏飯、鶏ガラスープ、蒸し鶏と季節の白菜サラダ、鶏の唐揚げと手羽元のスペアリブ風など鶏を余さずに使ったものです。



他の生物の命をいただいて生きて行く私達。その現場を見て、改めて感謝の気持ちを込めて、皆で「いただきます」と声にしました。
  


Posted by りじ at 23:52Comments(0)農業体験講座

2012年11月12日

◆テッラ・マードレ上映会とトークショー

10月21日(日)テッラ・マードレ上映会とトークショーを行いました。 
会場の久留米市民会館小ホールには第1部・2部併せて100名を超える方達が参加しました。



トークショーは西日本新聞編集委員の佐藤弘氏を聞き役として協会理事野村氏、吉永氏、筒井氏がスローフード協会の生い立ち、活動、課題や今後の動きについて語りました。
地域の食材、食文化、食の発掘をしようと考えたり、医療の現場から食べ物の大事さを感じて活動を始めたこと。
具体的な活動は生産者と消費者がお互いに理解出来るような交流を進める。スローフードフェスタ、食育フェスタの実施など様々に8年間やって来て生産者と消費者の繋がり、結びつきができて来た。その意味でも今、農業体験、現地体験事業に力を入れていること。
生産者の所へ行く事から始め、その結果生産者の事が良くわかって来た。六ツ門大学でスローフード講座を始めた。市民の方に体験を通してスローフード活動を知ってほしい。地産地消推進店冊子を作っているが、地元の多くの飲食店が地元の食材を使っていると言う良い環境にある。
生産者と消費者の距離を縮めお互い知る事が大事などの意見が出ました。
久留米が農業都市である事を知っている人は少なく、がめ煮と言う言葉・料理を知らない人が増えた。地域の伝統料理が衰退しない様もっと知ってもらえる様に一歩ずつSF活動を広めて行くしかない。
今、全てに置いて時間軸が短い時代になっている。何年のレベルで考えるかで全く違ってくる。映画の中でバンダナ・シヴァさんが食べ物だけでなく医療、環境、様々なことが重要とあったがスローフードも食物のみでなく農業や環境ほかのことも含まれているのでは。スローフードは食べ物だけでなく生き方まで問うているのではないか。
技術は進み昔の暮らしには戻れないが、食をきちんとしなければならない時が来るのでは。子供達に伝えねばと思う。



来年の12月に—テッラ・マードレ母なる大地、全国大会を行う。
テッラ・マードレの言葉が分かりにくいので、ちくごらしいタイトルに変えることも検討。ちくごの風景の中でちくごの人々にちくごの食のメッセージを出してもらう。ちくごの食を味わってもらう、食文化を体験してもらう、マルシェなど様々なイベントを行う予定。ちくごを味わってもらう仕掛けを考えたい。
例えば筑後の夕陽を見る事もすばらしいので筑後川に陽が沈んでいく太郎原の夕陽を見てもらいたい。
自分たちには当たり前すぎて良さが分からない事多い。外からの違う目で見てもらい、その事で自分たちも改めて筑後の良さに気づくのでは。テッラ・マードレをきっかけに皆がそう思えるようになれば良いと思う。



トークの次は「テッラ・マードレ」の上映です。
2009年イタリアのエルマンノオルミ監督が撮ったドキュメンタリー映画で、2年に一度開催されているテッラマードレ世界大会の様子をメインにしたものです。
2006年イタリアトリノ市に150カ国より生産者や多くの人が集決。SF協会のペトローニ会長が地域経済を動かすため、生産者と消費者を結ぶ為にと開催宣言する。
南米の先住民代表、アフリカから参加した女性のスピーチ、地球温暖化の影響に備えて種子の保有を行うノルウェー北部のスピッツベルゲン島の永久凍土に建設された世界種子バンクの映像。
会長が、消費の名の下にいたずらにスピードを競う食料生産現場の危機と今こそ消費者としての責任を考えるべきだと訴える
2008年種子バンク開所式で、26万8千種のサンプルを保管、やがては400万種の種子を保存する。地球規模の共同体意識の必要性を唱える。
再度、テッラマードレ会場の様子、ロシアの農夫、アメリカンネイティブのワイルドライス生産者、オランダの漁師、フィリピンの農夫達の映像。トリノ会場からパンのワークショップの様子。
インドのバンダナシヴァさんのスピーチ。生きるもの全ては他の生物の糧になる。食物の連鎖なのだが、今や企業が食糧を独占している。テッラマードレの理念としては食について生産現場だけでなく環境など他の分野も併せて一緒に考えて行くべき。
イタリア北部の3haの農地に囲まれた農家。電気、ガス、電話など何も無く、かって一人の農夫が生活していた。家畜は飼わず、土を耕す事さえもせず、農薬類もいっさい使わずに菜園を作り、貧しくても豊かな暮らしをしていた。ここに残された無垢の生態系にも価値があるが、この農夫の暮らしは単なる貧困ではなく新たな悟りとも言える。自然と共存する暮らし。より少ない消費で大きな満足を得ていた。この意味を考え、この土地をテッラマードレ保護区第1号にしてはどうかなど現代社会に向けてその意味を問いかけている。
2008年トリノ大会。米マサチューセッツ州の高校生の実践発表。仲間と畑で菜園、雨水を使って野菜を育てた。この運動が全米に広がっている。人と自然の絆を取り戻そうとアピールすると会場からは割れんばかりの拍手が送られた。フェンネル、ナス、パプリカ、サクランボ、ザクロなどの農作物と老人と孫の映像。家族の庭での食事風景。白インゲン、蔓なしインゲンなどの種子を採って瓶に保存している静かな映像で締めくくり、エンドロールと明るい音楽で終了する。(78分)
この映画を見て、改めて食や農業の大切さ、そのすべてを含む環境の保全や暮らし方を問われていると感じました。
来年のテッラマードレを筑後平野で開催することの意味を私達一人一人がしっかりと考え、そこへ向けて更にその先を目指してこれからの1年、様々な活動、イベントを行っていきたいと考えています。


  


Posted by りじ at 00:09Comments(0)SF協会活動

2012年11月09日

◆里芋掘りと里芋饅頭作り 農業体験ツアーその5

福岡の農業応援団の皆さんに筑後で農業を体験してもらうツアー、今回11月4日は八女市黒木町で里芋の収穫と里芋饅頭作りです。
受け入れは黒木町で米一町歩、お茶、野菜、コンニャクイモなどを作っている黒木たかっぽの城さんです。



里芋畑には120株程の里芋が育っていて、春に植えて、ちょうど今が穫入れ時となっています。
さっそく城さんに掘り方の説明を聞き、グループに分かれてスコップで掘り起こします。



芋の周りに4カ所垂直にザクッとスコップを入れて掘ります。
出てくるのはどれもなかなかの大株です。株から芋を小分けしてみると一株に20個以上の芋がついています。



秋の風が気持ち良い中を1時間ほどかけて掘り上げると持ち帰り用のビニール袋ほぼいっぱいに里芋が詰まりました。



農作業の後はお腹も減ります。農道を10分程歩いて、昼食会場の黒木たかっぽへ移動。
ここは、城寿美香さんが自家栽培の米や野菜、生芋こんにゃくを使って作る黒木の山のごちそうが食べられる食事処。

今日は黒木の清流で育った米のおにぎり、竹の筒(たかっぽ)のだご汁。ナスとジャック豆(モロッコインゲン)の生姜醤油和え、手作りコンニャクと野菜の白和え、きゅうり、人参、大根をおからであえたおからなますと漬物、柿のメニューです。



食材は城さんの田や畑で穫れた物を使い、だご汁などの作り方も昔からこの土地に伝わる作り方です。
季節の物を穫れたてで食べることは栄養価も高く、野菜の持ち味を活かしていて掛け値なしに美味しいです。

容器の竹筒は井出さんご兄弟が竹林から切り出して、口当たりよく成形されています。

食事の後は里芋饅頭作り。この芋饅頭も黒木地方に伝わる伝統食です。



作り方は至ってシンプル。ゆでた里芋を耳たぶ位の柔らか小麦皮に包んで、15分ほど茹で上げれば出来上がり。


子供達もたくさんつくりました。



今日は50名分なので、庭先に大鍋をかけて一度に百個程を作ります。



ゆであがりの熱々を頬張ると、軽い塩味で里芋と小麦の素朴な味わい。



複雑な調味や食感に頼る食生活から抜け出して、旬の食材で素材そのものの持ち味を生かした食べ方に立ち返ることも必要だと思えた貴重な1日でした。

黒木の美味しい空気が一番の調味料とおっしゃる城さんの言葉が心に残りました。
  


Posted by りじ at 00:26Comments(0)農業体験講座