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2012年12月17日

◆筑後の生産者が語る「つば飛ばしぐっちょ」Vol.2

12月10日(月)大木町にある道の駅おおきで生産者が語るトークシリーズ「つば飛ばしぐっちょ」を開催した。

第2回目となる今回は女性の生産者に焦点をあてて、農業や食に対する熱い思いを語っていただいた。
出演者は中島農産の中島陽子さん。やました農園の山下真奈美さん。池上農園の池上祥子さんの3名。
コーディネーターはトータルオフィス・タナカ代表の田中美智子さんです。



まずは自己紹介を兼ねてどんな作物をつくっているか、農業との関わりなどを聞いた。
大木町の中島農産、中島陽子さんは養豚2200頭、米5町、麦3町、アスパラ18アール、その他の野菜を栽培し道の駅に出荷している。
夫が中心に農業をしていて自分は道の駅おおきのレストランを女性3人で出資し会社を立ち上げ、メインにやっている。結婚前は東京青山の会社でOL、タイピストとして働き、新入社員教育もしていた。福岡に転勤し、縁あって大木町へ嫁いで来た。実家は農家なので農業に違和感は無かったが、養豚農家に最初は正直戸惑った。今は豚の助産婦役も出来る様になった。

久留米市北野町のやました農園、山下真奈美さんはいちご農家であまおうを2反程作付けしている。
夫と共に東京に住んでいたが、10年前ほど前のある朝突然、夫が農業をするぞと言い出した。いきなりでほぉ?!と言う感じだったが、まっ、それもいいかっ!と思った。当初は農業体験に参加しては模索し、そんな中、阿蘇での研修でイチゴに出会った。祖父母の土地があったのを思い出し、ハウスを立てて今に至る。
JAを出て3年目、減農薬から今年は無農薬にしたので、収穫がたくさんは望めない状況である。

大木町の池上農園、池上祥子さんも同じくあまおうを2反半程作っている。
当時、農家に嫁ぐことには反対もされたが、その意味も分からず自分が就農するんだと思って結婚した。野菜も穫れたてを食べられるし、大家族は新鮮だった。イチゴおいしいねと言う言葉と笑顔に勇気づけられている。
今はイチゴの最盛期で忙しく、スタッフを5人程雇い、84歳の義母と二人で切り盛りしている。



次に、農業について感じていること、やっている試みについて聞いてみた。
中島さんは大学生や福岡の普及センターからの受け入れをしている。小学生や幼稚園児のジャガイモ植え付けから収穫までの農業体験を続けたい。アイガモ農法を始めたとき、他との違いをどうやって消費者の方に分ってもらうかに苦慮し、手書きで「アイガモ便り」を作り手渡すことを考えだした。年に2回くらい消費者との交流会を開き、実際に来て見てもらうことで自分たちの農業を伝えたいと思っている。

山下さんは新規就農者として農業は厳しく大変だけど後悔はしていないとはっきり言われる。今年の久留米食育フェスタでは冷凍イチゴが人気だった。ハローディへ飛び込み営業して採用されたこともあり臆せず行動も大事と思う。
池上さんは作った物を通じて農業が人に伝わって行くならこんなに楽しいことは無いと思っている。今は新たにバニラビーンズの栽培にもチャレンジしている。
皆さん、6次産業化という観点から、農地だけではない新しい展開をされています。

続いて、食育の視点で何か伝えたいことはありますかの問いを受けて、
中島さん。以前、味噌を軽トラックで販売していた時に冬にキュウリ下さいと言われたことがあったが、旬の野菜を食べたがいい。今、食の変化が起きていると言われているがそこを何とかしたい、本物を知って、味わってほしい。その気持ちで交流会を開催している。3日間かけて味噌作り体験をしている。消費者はレシピ通りの材料が無いと出来ないと考える人が多い。そうではなく今ある食材、穫れた物で作ることを伝えている。子供達参加の収穫体験多いが、ただ穫るだけではなく種から育てて、収穫まで行う体験を広めたい。今の子供達は家が農家といえども農作業をしたことが無い状況である。例えば、卒園する時に苗を渡し家で家族とともに育て成長を見て収穫し食べてもらうようなきっかけを作りたいという強い思いを持っている。
池上さん。自分自身も消費者の目を持ってもっと良い物を作りたいと思っている。生産者として顔写真入りのイチゴを出荷しているが、そうすることによって責任と熱意が持てる。冷凍イチゴを大木町アクアスで販売。ゆめタウン久留米やイオン大牟田店などにある果物カフェなどのイチゴ味ソフトクリームやいちごソースの原料としてあまおうを出しているが、いつもお店の方達にはげまされて頑張って来れた。

最後の質問として農業の素晴らしさなど次の世代に伝えたいこと、メッセージはありますかに対しては、
池上さん。農業はつらいこともあるがすばらしいと思う。なにより自分が元気になれる。
山下さん。大変なことはたくさん有るが後悔はしていないので良いかなと思う。農業をとおして世の中の見方が変わった。
中島さん。実家の祖母が一生懸命働いていれば貧乏神は追いつかないとよく言っていた。その当時は意味が良くわからなかったが、農業は働けば働く程いろいろなことが出来る魅力ある職業と言える。又、いろんな方と出会える。全国畜産女性ネットワークを立ち上げて日本全国北から南までたくさんの方達とはなしが出来る。消費者の方とも農業や食について話せる。農業はどんな時代でも世の中の技術が移り変わっても、変わらずに話が出来て視野も広がりおまけに定年も無い、素晴らしい職業だと思う。このような農業に対する思いを多くの人に伝えていきたい。

型に縛られない柔軟な考え方、行動力!三人三様の農業に対する取り組みや熱い思いを聴くことが出来た。

終わりに、スローフードに関わる人は生産者、消費者、飲食店の人達と様々だが、皆、筑後地域がもっと発展してほしいと願っている。
生産者の方の素晴らしさを生産品を買い支えることでも伝えていきたい、また外部の人だから気づく筑後の良さもたくさんある。
私達に出来る役割として皆で手を取り筑後の農業、食について伝えていくことが出来たらとのコーディネーター田中美智子さんの言葉を共有して、つば飛ばしぐっちょ2回目を終了した。
  


Posted by りじ at 22:44Comments(0)SF協会活動