2012年08月21日
◆六ツ門大学スローフード講座 Vol.5
8月のスローフード講座は17日(金)に不動産鑑定士の浅川博範さんを講師に「宅地・農地の評価と久留米市の地価推移について」のテーマでおこなわれました。

まず始めに、不動産の価格はどのように決まるかについて
不動産の価格は買い手と売り手のバランスで強い方に振れる。高くても買いたい、予定より安くても売りたいなどの度合いの強さで決まるので、客観的な指標とはなりにくい面があり公的な評価が必要となってくる。
公的価格は様々な省庁や行政機関が評価していて①地価公示価格(国交省)②地価調査価格(福岡県)③相続税路線価(国税庁)④固定資産税評価額(総務省、市町村)があり、個人での土地売買、訴訟や金融機関による担保額の査定、公共機関の用地買収時に利用される。
一つずつ説明すると①地価公示価格(国交省)は国交省が毎年3月下旬に発表しているもので、全国の調査地点で不動産鑑定士が評価した価格に基づいている。久留米市では宅地36地点、商業地16地点工業地2地点を浅川さんが評価決定している。
久留米市六ツ門大学前の商業地地価の推移を例に説明するとS56〜H24までのデータではS56年が600,000円/㎡だったのが、バブル期のH3年がピークで1,210,000円/㎡と急上昇。(前年比17〜19%も上昇)バブルの崩壊とともに下がり、H7〜8年頃になると郊外型商業施設の建設が始まり、市中心地の価格が下がり始める。H24年現在、118,000円/㎡とバブル期の10分の1となっている。郊外型商業施設エリアが高い時期はまだ続くが、ライフスタイルの変化とともに変わってくることもある。
一方宅地については、高かった櫛原エリアがH10年坪単価161,000円と高値ピークでH15〜16年より下がり始め、今は首位ではなくなっている。理由は駅、主要交通機関から遠いなどがある。代わって今地価が高いのは、花畑駅周辺区画整理エリアで、坪40万円前後で取引されているところもある。
②地価調査価格(福岡県)は各都道府県が毎年7月に調査地点の価格を公表するもので、国交省の地価公示とは相互に補う関係にある。
③相続税路線価(国税庁)は不動産鑑定士による評価額などを基準に国税庁が7月に公表する。これを基に税理士が相続税額を決めたり銀行の担保評価に利用されている。
④固定資産税評価額(総務省、市町村)不動産鑑定士による鑑定評価を基に決める。不動産取得税、金融期間の担保評価に利用。あくまで課税のための評価額なので実際の売り買いの額とは変わってくる。
この4つの公的価格でなぜ地価が違うのかというと、基準となるのが公示価格・基準地価格でこれを100%とすると、相続税路線価がその80%、固定資産税評価額が70%の位置づけとなっているからだ。

宅地の価格を決める要因としては道路の幅など街路条件、最寄り駅など交通機関への距離、環境条件、建ぺい率など行政的条件などがある。久留米市では合併後新市となったエリアで三潴町は評価が上がり気味である。理由は西鉄沿線の利便性による。田主丸は交通機関が無いので逆に下がっている。北野は甘木線があるので、下落は収まっていると言える。
では、宅地の評価はどのように決めるのかというと、実施の取引事例を参考にする。家賃収入、事業売り上げを基にする。他に分譲マンションの販売価格から諸経費を引く開発法、土木業者による造成価格を基にする積算法などを参考にして決めている。
一方、農地の評価はどのように決まるのか、価格の基準になるのは固定資産税評価額である。それに気候、地形、土壌、水などの自然要因や災害要因、収益や市場などの経済的要因が加味される。実際には農地の取引事例や米・麦の収益を基準にして算定し評価している。

最後に、今後の不動産の評価や流れを予測すると、
急速な少子高齢社会により買い手が減少、不動産は供給過多となり、結果値下がりする。地方都市では地価の下落が続く。
土地神話の崩壊により更地の価値が低くなる。日本ではこれまで更地に価値を置きこだわってきたが、今後は欧米の様に建物の収益性によって価値を上げるという方向になって行く。
中古住宅流通の強化(リノベーションにより不動産価値を上げる)
地域で価格の二極分化が進む。(私鉄沿線、駅近くは有利)
市中心部は建物建設より駐車場として運用が有利。大手業者による一括借り上げが更に安全、効率的である。
消費税増税前の需要が予想されるのでマンションや戸建住宅用地は強い。
全国的にメガソーラー建設が進み始めているので、その建設用地として貸すという新しい動きも出て来ている。
これらの助言を聞いて終了しました。

まず始めに、不動産の価格はどのように決まるかについて
不動産の価格は買い手と売り手のバランスで強い方に振れる。高くても買いたい、予定より安くても売りたいなどの度合いの強さで決まるので、客観的な指標とはなりにくい面があり公的な評価が必要となってくる。
公的価格は様々な省庁や行政機関が評価していて①地価公示価格(国交省)②地価調査価格(福岡県)③相続税路線価(国税庁)④固定資産税評価額(総務省、市町村)があり、個人での土地売買、訴訟や金融機関による担保額の査定、公共機関の用地買収時に利用される。
一つずつ説明すると①地価公示価格(国交省)は国交省が毎年3月下旬に発表しているもので、全国の調査地点で不動産鑑定士が評価した価格に基づいている。久留米市では宅地36地点、商業地16地点工業地2地点を浅川さんが評価決定している。
久留米市六ツ門大学前の商業地地価の推移を例に説明するとS56〜H24までのデータではS56年が600,000円/㎡だったのが、バブル期のH3年がピークで1,210,000円/㎡と急上昇。(前年比17〜19%も上昇)バブルの崩壊とともに下がり、H7〜8年頃になると郊外型商業施設の建設が始まり、市中心地の価格が下がり始める。H24年現在、118,000円/㎡とバブル期の10分の1となっている。郊外型商業施設エリアが高い時期はまだ続くが、ライフスタイルの変化とともに変わってくることもある。
一方宅地については、高かった櫛原エリアがH10年坪単価161,000円と高値ピークでH15〜16年より下がり始め、今は首位ではなくなっている。理由は駅、主要交通機関から遠いなどがある。代わって今地価が高いのは、花畑駅周辺区画整理エリアで、坪40万円前後で取引されているところもある。
②地価調査価格(福岡県)は各都道府県が毎年7月に調査地点の価格を公表するもので、国交省の地価公示とは相互に補う関係にある。
③相続税路線価(国税庁)は不動産鑑定士による評価額などを基準に国税庁が7月に公表する。これを基に税理士が相続税額を決めたり銀行の担保評価に利用されている。
④固定資産税評価額(総務省、市町村)不動産鑑定士による鑑定評価を基に決める。不動産取得税、金融期間の担保評価に利用。あくまで課税のための評価額なので実際の売り買いの額とは変わってくる。
この4つの公的価格でなぜ地価が違うのかというと、基準となるのが公示価格・基準地価格でこれを100%とすると、相続税路線価がその80%、固定資産税評価額が70%の位置づけとなっているからだ。

宅地の価格を決める要因としては道路の幅など街路条件、最寄り駅など交通機関への距離、環境条件、建ぺい率など行政的条件などがある。久留米市では合併後新市となったエリアで三潴町は評価が上がり気味である。理由は西鉄沿線の利便性による。田主丸は交通機関が無いので逆に下がっている。北野は甘木線があるので、下落は収まっていると言える。
では、宅地の評価はどのように決めるのかというと、実施の取引事例を参考にする。家賃収入、事業売り上げを基にする。他に分譲マンションの販売価格から諸経費を引く開発法、土木業者による造成価格を基にする積算法などを参考にして決めている。
一方、農地の評価はどのように決まるのか、価格の基準になるのは固定資産税評価額である。それに気候、地形、土壌、水などの自然要因や災害要因、収益や市場などの経済的要因が加味される。実際には農地の取引事例や米・麦の収益を基準にして算定し評価している。
最後に、今後の不動産の評価や流れを予測すると、
急速な少子高齢社会により買い手が減少、不動産は供給過多となり、結果値下がりする。地方都市では地価の下落が続く。
土地神話の崩壊により更地の価値が低くなる。日本ではこれまで更地に価値を置きこだわってきたが、今後は欧米の様に建物の収益性によって価値を上げるという方向になって行く。
中古住宅流通の強化(リノベーションにより不動産価値を上げる)
地域で価格の二極分化が進む。(私鉄沿線、駅近くは有利)
市中心部は建物建設より駐車場として運用が有利。大手業者による一括借り上げが更に安全、効率的である。
消費税増税前の需要が予想されるのでマンションや戸建住宅用地は強い。
全国的にメガソーラー建設が進み始めているので、その建設用地として貸すという新しい動きも出て来ている。
これらの助言を聞いて終了しました。